高森先生のみんなのためのSST講座

日 時:<1日目>令和6年3月9日(土)13:30~16:30

場 所:多目的ルーム

講 師:高森 信子先生(SSTリーダー)

参加者:8名

対 象:鹿児島市にお住まいの精神障がいのあるご本人

昨年に引き続き高森先生をお招きして、SST講座を開催しました。
先生の自己紹介として生い立ちやSSTとの出会いについて語ってくださるところから講座が始まりました。
参加者のみなさんにも、参加した目的や、楽しいと感じること、夢についてなど一言ずつ自己紹介していただきました。 その時に、相手の話を受け止め(受信すること)、相手の良かったと思うところを見つけて伝える(送信すること)練習をしました。
その後、参加者に困りごとをうかがったところ、「嫌なことをする人にどうやって気持ちを伝えるか」「眠りが浅い時の対処法」 などさまざまな困りごとがありましたが、先生から助言をいただきロールプレイをすることで、 コミュニケーションの実際の場面についてより具体的にイメージすることができました。

参加者からは
「高森先生の戦時中の生い立ちからのお話を聞いて48才を分岐点でソーシャルコミュニケーションの道を進んで今に至っておられ、 91才というバイタリティがすごいと思った。色々と話を聞いて勉強になりました。」
「今日はたまたま参加したけど貴重な時間をいただき、今後に向けて希望を持って過ごしていきたいと思いました。ありがとうございました。」
という感想をいただきました。




日 時:<2日目>令和6年3月10日(日)10:00~16:00

場 所:多目的ルーム

講 師:高森 信子先生(SSTリーダー)

参加者:9名

対 象:鹿児島市にお住まいの精神障がいのある方のご家族

2日目はご家族が対象で9名の方が参加されました。
午前は座学が中心。
①1日目同様「受信」に加え「処理」そして「送信」などコミュニケーションについてのお話
②『自由こそ治療だ』を旗印に精神科医療の革命を起こしたイタリアのバザーリア先生のお話を用いて 「親は子を自分色に染めたくなる、でも相手色に染められるのは苦痛なの、本人に合わせて居心地良くすれば、 調子が良くなる、安心できる場所を作ることが家族に出来ること」と自由を保障し環境を整える大切さ
③ヘルパーを追い返した方のお話を用いて「その方は生まれながらに敏感さがあって、ヘルパーのたてる皿洗いのガシャガシャする音、 掃除機の物凄い騒音、その『音が凶器』だったのね、耐えに耐え忍んでいたたまれずに追い返したんだって。 そうした敏感さを意識して。分かってもらえない辛さがあるの。“貴方はどうしたいの?”と話をちゃんと聴いてあげて。 家族や周りはつい世間体を気にする、大声で叫べば恥ずかしいから迷惑だからやめなさいと責める。 でも今日から『世間体より貴方が大事』と伝えられる様になって欲しい」と、病気への理解と家族の対応、世間体と向き合う家族の葛藤。
以上のようなことを一つ一つ具体的な事例をあげながら分かり易くお話をされて、服薬継続していても再発率は38%、 でも家族の対応次第で13%にまで下がる研究成果もでている事も教えていただきました。
午後は、まず『行動』を起こすことによって人は変わる、それが「行動認知療法」とSSTの説明をしながら 「口で言うのは照れ臭いけど手話なら伝え易いから」と音楽を弾きながら“I LOVE YOU”の手話で行動で相手に気持ちを伝える大切さ、 それにより人は変わることを伝えてくださり、その後は、ご記入いただいた『お困りごと』への具体的な助言とコミュニケーション術を学んだあと ロールプレイ(模擬練習)で振り返りを行いました。
先生のユーモラスで巧妙な語り口調と歯にきぬ着せぬ語りが、みなさんを楽しく和やかな雰囲気に包んでいました。
参加してくださったみなさま、高森先生、ありがとうございました。

★参加された方から下記のお声を頂きました。
「本人の、話をきいてあげる事、相手を否定しない事、その大切さを痛感しました、早速試したいと思います。」
「寄り添う事の難しさを感じますが今回のロールプレイ非常に面白かったです、学びになりました」
「家族の接し方を学ぶことができ、とても落ち着いて対処できるようになり本当にありがたい事でした、自分自身が救われました」など