講 師: 岡田 洋一 先生
(鹿児島国際大学 福祉社会学部 准教授)
日 時: 平成27年11月30日(月)13:30〜15:30
場 所: 多目的ルーム
参加者: 27名
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平成27年8月6日にあった講演会“依存症について学び考える”で、「回復についてのお話をもっと聴きたかった」と、皆様から多数のご要望を受け、岡田先生に再度講演をお願いした処、ご快諾頂き、“依存症からの回復について”と題して平成27年
11月30日(月)依存症について2回目の講演会となりました。 |
始めはニュースになった事件や事故等を例に依存症とは何か?何故そうした事が起こるか、依存や嗜癖の背景や構造について話され“依存症への理解“の部分に触れ、そのあと回復に必要な事についてそれぞれの依存症ごとに、どのような事をしていくといいかを説明して下さいました。 |
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岡田先生は講演の中で、
・人は困難な問題を抱えるとそれを乗り越え成長すると言われているが、それを乗り越えられない時もある。
そんな時は時間を待つことも必要、時間をおいて戦略を考える事も必要、乗り越える力を蓄える事も必要、人の助けを借りる事も必要となる。 |
もしかしたら困難は乗り越えられないかもしれない。そうしたら、その困難と上手に付き合っていくしかない。でもこれまでの家庭の中で困難との付き合い方を教えてもらっていないので、人によっては乗り越えようとして上手くいかず自分は駄目だと決めつけてしまう事もある。
困難な中だってささやかな幸せがあるじゃないですか。人生は大変な事ばかりだけど生きていてよかったと思う事がある。
その時の為に生きている、それを幸せって言うんじゃないかな。
・人間的に回復しないと依存症は良くならない。依存症の方は大事な事を大事と考えられなくなる。幸せになりたい、家族を大切にしたい、大事なものを大事にしたいと本当に願う事が大切。
自分が死ぬような目にあって初めて一番大切なものが分かる。困難な時にしか大切なものは分かってこない。
・責めることからは何も始まらない。責める治療はやめましょう。悲しいとか残念とか思いを伝えるのはOK。互いに本当の事をいう事が大切、でもそれには勇気がいる。仲間も大事。ただ健康的な境界線を引く事が苦手だからうまく距離感を保つことも大切。依存を勉強していくと人間にとって何が本当に大切かを学ぶことが出来る。
とのメッセージを頂きました。 |
最後は、参加された皆様の質問に丁寧に答えて頂き、講座を受けた皆さんからは、
「病気や障害を受け入れていく事が大切なのかなと思いました。」
「心配する事が少し減ったような気がして楽になった。」
「家族も診て下さる病院が身近に欲しい、自助グループは苦手なので、このようなセミナーや勉強会が増えるといいなぁ。」
「困難を受容する生き方や自分をかけがえのない人間だと信じる生き方等は、依存症のみならず、全ての人々の助けとなると思いました。」
と、参加された方々から感想を頂きました。
参加して下さった皆様、ご講演頂いた岡田先生、ありがとうございました。 |
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