講  師: 岡田 洋一
          (鹿児島国際大学 福祉社会学部 准教授)

 日  時: 平成27年8月6日(木)13:00〜15:00
 場  所: はーと・ぱーく 多目的ルーム
 参加者: 41名




今回は、鹿児島国際大学福祉社会学部 准教授の岡田洋一先生をお招きしてご高話頂きました。

講座では、大別して3つの嗜癖、アルコールや薬物など、体に物質を取り込むことを嗜好する物質嗜癖
ギャンブル、買物、自傷癖、窃盗癖、摂食障害など、その過程・行為自体に快感を持つプロセス嗜癖
恋愛依存とか共依存とか人間関係に はまり込んでしまう人間関係嗜癖について、岡田先生のこれまでの経験を通して、依存症・嗜癖とは何かについて、説明がありました。
「自分自身の価値感のゆがみみたいなもの、自分の心や体を大切にするケアが十分に出来ない、自分を大切にする事を家庭の中で学ぶ事が出来なかった、一生懸命生きているけれど不全感が非常に強い。そうなると、自分が人間としてどうして生きていけばいいのかとか、本当にしたい事は何なのかとか、何を大事に生きているんだろうかとか、考えるようになってしまう。
それらの事がちゃんと語られ、話し合われておらず、こうした事が起こってしまう」
と、何故そうした事が起こるかを教えていただき、依存や嗜癖の、背景や構造が少し理解できたように思え、心に響きました。


どんなことから失敗してどんなことをして回復したか、どうやってコントロールしているかは、当事者の話を聞き“経験から学ぶ”これが“アディクションの回復の基本”と教えて頂きました。
また、援助者側にも“共依存”という言葉を通して「どんなに依存症の人間関係が、地獄で大変かを分からなくて、臨床経験も少なく、単にシステムだけで考え、患者さんに敬意を払えないような未熟な援助者には“共依存”という言葉を使って欲しくない」と厳しくも温かいメッセージを頂き、本当にそうだなと初心に返りました。



最後は、参加された皆様の質問
・たえがたい空虚感をどのように乗り越えたらいいか?
・クロスアディクション(重複した依存症)で負の連鎖にも陥られているケースの対応は?
・アルコール依存の方が飲みながら問題をおこさずに生活を送れた例はあるのか?
などに丁寧に答えて頂き、講座を受けた皆さんからは、
「共依存と言われ悲しかった体験があった。弁護して下さってありがとうございました。」
「話にひきこまれました」「心に響く、あっという間の2時間でした」
「自分の心や体のケアの出来る人間に子供は育てる事が大事、誰かとつながっている事の大事さ、援助者は断酒している人に敬意を持つ、仕事をする際大事にしていきます!!」
と、参加された方々もそれぞれの立場で、大切なメッセージを受け取って頂けたのではないかと感じました。